- リスニングパートは無理ゲー
- 先読みしているのに点が伸びない
- 先読みが間に合わない
- メモは取ったほうがいいの?いらないの?
と悩んでいませんか?
先読みしなくていいパートもありますし、メモ取りは基本いらないです。結論を先にお伝えします。先読みが不要なのはパート1です。他のパートは先読みが必要です。メモが必要なのはパート3です。他のパートはメモ取りなしでOKです。
でも実は、メモの取り方や先読み以外に必要なスキルがあります。今回はリスニングパートで正答率90%越えを達成できた私が実践した方法を、全てご紹介します。
英検1級のリスニングパートで高得点を取るための···
- 必須の3つの力がわかる
- 全パート(Part 1 - Part 4)の問題形式がわかる
- 全パート共通3つのコツがわかる
- 具体的な各パートの解き方のコツがわかる
ぜひ最後まで読んで、あなたもリスニングパートを得点源にしてください!
英検1級リスニングで必須の3つの力
実はリスニングパートで求められるリスニング力は、単に『英語を聞き取る力』だけではありません。リスニングしながら、次の3つの力が求められます。
- 最後まで集中して聞き取る力
- 話のポイントをつかむ力
- メモなしで内容を記憶しておく力
一つひとつ説明します。
最後まで集中して聞き取る力
最後まで集中してリスニングできることが求められます。
なぜならば、リスニングは
- 約35分間ノンストップの試験
- 1回のみ放送
- 大半のパートの質問は印刷されていないので、質問も聞き取る必要あり
- リーディングテスト後のため精神的にも体力的にもキツい
実力を発揮するには、最後の最後まで集中できることが必須です。
話のポイントをつかむ力
話のメインポイントを理解できることが一番、求められています。
なぜならば多くの問題は、話の展開や大まかな内容を理解できれば解答できるためです。確かに、1級は他の級と異なり、聞き取る量が多いです。しかし、細かい内容は問われません。
そのため、細かい内容より会話のポイントを理解するように心がけてください。
メモなしで内容を記憶しておく力
リスニング中はメモをとることができますが、極力メモを取らずに、聞くことに集中することをおすすめします。
(ただしパート3を除きます。詳しくはここをクリック)
メモがいらない理由は下記の3つ。
- 会話の内容を覚えておける長さのため
- メモを取ることに集中してしまい、聞き逃す情報があるため
- メモを取ることで逆に安心してしまい、聞き取りの理解度が下がるため
メモを取ることで安心して注意力が散漫し、英語が耳に入ってこなくなっては本末転倒です。聞き取りだけで内容を保持し、正解できると自分を信じましょう。
3つの力を鍛えるおすすめの方法
私が実践した方法をご紹介します。
過去問に取り組むときは、一気に解きました。疲れますが35分集中できるスタミナがつきます。
1分でよいので毎日リスニングし、リスニングの基礎体力を鍛えることをおすすめします。
問題形式を把握しておくと、解き方のコツを読むときに理解が深まるため、次はリスニングパートの問題形式を解説します。
英検1級リスニングの問題形式
リスニングパートは以下の4パートにわかれます。
パート1: 会話の内容一致
パート2: 200ワードくらいの説明文の内容一致
パート3: SituationとQuestionがわかった状態での会話の内容一致
パート4: インタビューの内容一致
特徴をまとめます。
- 選択形式で全て四択
- パート3のみ、あなたが答える質問も印刷されている
- パート1、2、4は選択肢のみ印刷
- 解答時間はどのパートも10秒
- 問題数は計27問
各パートの問題数は次のとおりです。
Part番号 | 問題数 |
---|---|
Part 1 | 10題10問 |
Part 2 | 5題10問 |
Part 3 | 5題5問 |
Part 4 | 1題2問 |
英検1級のリスニングパート高得点攻略のコツ
全パート共通の高得点をとるためのコツは、次の3つです。
- 先読みしすぎない先読み
- 気持ちをすばやく切り替える
- 会話の冒頭に集中
どれも全パートに有効なコツですので、一つずつ詳しく解説します。
コツ1: 先読みしすぎない先読み
結論を先にお伝えします。
先読みする目安は1 - 2 問ずつでOK。選択肢自体は難しくないので、しっかり一つずつ確認することが大切
リーディングパートの時間を削ってまで、先読みしなくてOK
『選択肢を先読みし、流れてくる内容を予想することが大切』というテクニックはよく耳にすると思います。しかし、あなたは一気に先読みしないといけないと考えいませんか?実は1問1問、集中できるようにあえて先読みを急がないのがコツです。
とは言っても、あらかじめ全ての選択肢に目を通さないと不安な方もいると思います。しかし、一気に全ての選択肢に目を通すのはおすすめできません。なぜ一気に先読みしなくてよいのでしょう?理由は下記の3つ。
- しっかり選択肢を読んでから聞くので、正答率がグッと上がる
- 選択肢は10秒間の解答時間で読める分量
- 焦ってどんどん先読みをしても内容が頭に残らない
一番、おすすめしない先読みの仕方は、リーディングパート中にすることです。リーディングパートは、
- ライティングのスペルを見直したり
- 読解を注意深く読んだりする方が大事
実際の解く時の流れは次のようなイメージです。
パート毎の最初に「Directions」が流れます。これは「こういう問題のパートです」という説明です。この時間中に最初の1、2問の選択肢に目を通します。
⇓
第一問目を聞きながら、正解がわかった時点でマークしてしまいます。
⇓
解答時間を使って、次の設問の選択肢に目を通します。
⇓
第二問目を聞きながら、答えがわかった時点で正解をマークします。
問題を聞きながら正解をマーク、解答時間中に次の選択肢をチェックする流れで問題を解き進めます
パート別の対策法は後ほど解説します。急いでいる方はここをクリックしてください。
コツ2: 気持ちをすばやく切り替える
万が一、わからない問題があってもどれかにマークをしてしまいましょう。空欄にするのは絶対にNGです。そしてすばやく気持ちを切り替え、次の設問の選択肢を先読みしてください。
特にパート1 - 3 はそれぞれの問題が独立しています。正解がわからない問題は潔くあきらめ、次の選択肢を読んで、次の問題で正解を狙うことをおすすめします
英検のリスニングはメンタルとの闘いです。リスニング力やテクニックも大事ですが、意外と自分のメンタルを保つことが合否に関わってきます
とは言え、少し時間をかければ答えがわかりそうな問題や、解けない問題をあきらめきれず、時間をロスしてしまうという悩みをお持ちの方多いですよね。でも、「あきらめきれない」というのは、あきらめるメリットを実感していないからかもしれません。おすすめは、過去問や模擬テストを使ってメリットを実感することです。あっさり一問捨てることで、次の問題で正解を取るための時間が増えることを、あなた自身で感じてください。
気持ちを切り替え、次の問題に備えるのは3つ目のコツにもつながってきます。
コツ3: 会話の冒頭に集中
問題の冒頭に集中してください。どのパートも会話の最初のやりとりで、その会話のトピックや会話の場面、登場人物の人間関係を把握できます。その後の話の展開を理解するためにも、最初に流れる部分を聞き逃さないことがとても大事です。
特にパート2とパート4は、最初のタイトルや紹介文を聞き取れるとリスニングが楽になります。後ほど詳しく解説します。
先読みやメモ取りがいるパートといらないパート
冒頭でもお伝えした、「先読み」と「メモ取り」の必要性についてまとめたのが下の表です。
Part番号 | 先読み | メモ |
---|---|---|
Part 1 | ✕ | ✕ |
Part 2 | ◯ | ✕ |
Part 3 | ◯ | ◯ |
Part 4 | ◯ | ✕ |
先読みがいらないのはパート1、必要に応じてメモがいるのがパート3
英検1級リスニングパート別の解き方のコツ
ここからは、具体的な各パートの選択肢の先読みのポイント、会話やトピックの内容、解き方のコツについて解説します。
Part 1: 会話の内容一致
パート1は2人または3人の会話を聞き、続く質問に対する答えを選択肢から選ぶパターンです。
[ 選択肢の先読みのポイント ]
先読み不要です。なぜならば、選択肢から正しい会話の予想も質問も予測できないからです。
[ 会話の内容 ]
日常会話です。場面設定は家族や上司や同僚との会話など、さまざまです。
- 捨て問に出会ったときの対処法を決めておく
- 口語表現を覚える
- 日常シーンをイメージする
- 質問を慎重に聞く
- 過去問を解きまくる
パート1は全体の流れをイメージできると点を取れます。例えば、◯ ◯問題が起きて⇒ ☐ ☐解決策というように、流れがあります。会話の後に続く質問は、
- 何が、誰がどうした?
- 何が、誰がどうする?
という風に聞かれます。流れを意識したリスニングを心がけると正解しやすくなります。
先読みしないで、本当に大丈夫かな?と感じている方もいると思います。先読みなしで正答率がUPした実例や、詳細な対策法はパート1徹底解説記事をご覧ください。
Part 2: 200ワードくらいの説明文の内容一致
パート2は200ワードくらいの説明文と質問が2問続いて流れます。1つ目の問いは前半の内容、2つ目の問いは後半の内容から出題されます。
[ 選択肢の先読みのポイント ]
動詞や名詞などキーワードになりそうな単語を確認しながら内容のトピックを予想
[ トピックの内容 ]
アカデミックな内容が多いです。過去7年間で出題された問題の半数以上が、自然科学についてです。自然科学の中でも環境、生物、健康、医療に関するテーマが多いです。
- アカデミック形式のリスニングに慣れる
- 科学テーマに慣れる
- 細かい部分より大まかな内容を意識する
- スクリプトを読み込む
- 選択肢を先読みする
- キーワードの言い換えがされた選択肢を選ぶ
- 専門単語が出てきても気にしない
- 最初に流れるタイトルを聞き逃さない
パート2を苦手とされる方は多いですよね。でも実は、説明のされ方や問われる質問のパターンが決まっているため、点を稼ぎやすいパートです。例えば、『メリットが紹介されたら次にデメリットが説明されて、質問ではデメリットが問われる』のように、対策がしやすいです。
この記事でご紹介しきれていない選択肢の読み方や、対策におすすめの無料音声など、さらに詳しいパート2の有効な対策法を知りたい方は、パート2徹底解説記事をご覧ください。
Part 3: シチュエーションと質問がわかった状態での会話の内容一致
パート3は実際の日常生活でありそうな場面を聞き、質問に答える形式です。問題用紙にはSituation、Question、選択肢が書かれています。
他のパートと大きく形式が違い、音声が流れる前にSituation と Question を読むための時間が10秒あります。
[ 先読みのポイント ]
先読みする部分が多いとあせってしまうかもしれません。絶対に先読みをしなくてはいけないところは「Situation」です。主語がYouになっているので、あたかもその場面や状況に置かれているような想像をしておくことがポイントです。
特にSituationに「金額」 「期間」 「日時」 などの数字が書いてあった時は丸をつけるなど、印をつけることをおすすめします。
[ Questionの先読みポイント ]
次の行動を問うものか、最善な方法を問うものが多いです。先読みする時間がないときは、WH疑問詞だけ注目です。例えばWhatなのかWhichで聞かれているのかの確認です。聞かれていることを頭に入れた状態でリスニングができるとベストです。
[ 会話の内容 ]
実生活で聞きそうな会話や電話です。例えば医者とのやりとりです。
- Situationで重要となりそうな箇所(数字など)に印をつけておく
- 英単語で数字が印刷されていたらアラビア数字に書き直す
- 正解は消去法で正解を選ぶ
- What質問で聞かれた時は選択肢の動詞をマーク
- Which質問を問われた時は選択肢の名詞に印をつける
[ メモのとりかた ]
消去法を用いる時に、選択肢の番号に◯ ✕ 丸バツをつける程度のメモでOKです。Situationで問われたことが、選択肢と照らし合わせた時に当てはまるかどうかの確認です。聞こえてきた内容を一字一句するようなメモはいりません。
出題されやすいテーマや、選択肢の読み方などの詳しいパート3の傾向は、徹底解説記事をご覧ください。
Part 4: インタビューの内容一致
パート4はインタビューとその内容に関する質問が2つ続いて流れます。インタビューは約3分半です。1つ目の問いは前半の内容、2つ目の問いは後半の内容から出題されます。
[ 選択肢の先読みのポイント ]
仕事内容に関わりそうな単語からゲストの仕事を予想
[ インタビューの内容 ]
内容はゲスト(インタビューされる人)が就いている仕事についてです。聞き手の質問にゲストが答える形式です。
- 最初の一文で流れるゲストの簡単な仕事内容の紹介を聞き逃さない
- 聞き手が聞く内容に注目する
- 緩急をつけて集中する
- ゲストが話す大まかな内容を理解する
- 速読を意識した選択肢の先読みをする
- さまざまなアクセントに慣れる
パート4は実際のネイティブのインタビューを聞いている感じです。ぜひネイティブが話すテンポに慣れるためにも、インタビュー形式で話している音源を日頃から聞いてみるのをおすすめします。
おすすめのインタビュー音声や、さらに詳しいパート4の有効な対策法を知りたい方は、パート4徹底解説記事をご覧ください。
英検1級のリスニング対策【パート別】正答率9割越えできるコツのまとめ
今回の記事は英検1級リスニングを攻略する方法を解説しました。まずリスニングパート攻略に必須である、3つの力をお伝えしました。
- 35分間の試験を最後まで集中して聞く力
- 話のポイントをつかむ力
- メモをとらずに内容を記憶しておく力
高得点をとるコツは次の3つです。
- 焦らず一気に選択肢を先読みしない。一問ずつ先読みする
- 気持ちをすばやく切り替え、次の設問に備える
- 会話の冒頭に集中して聞く
各パートの解き方のコツをまとめます。
パート1は日常会話の内容一致です。解き方のコツは下記のとおりです。
- 捨て問に出会ったときの対処法を決めておく
- 口語表現を覚える
- 日常シーンをイメージする
- 質問を慎重に聞く
- 過去問を解きまくる
パート2はアカデミックな内容、特に自然科学の説明文の内容一致です。動詞や名詞のキーワードから内容のトピックを予想しながら、選択肢を先読みしてください。解き方のコツは以下のとおりです。
- アカデミック形式のリスニングに慣れる
- 科学テーマに慣れる
- 細かい部分より大まかな内容を意識する
- スクリプトを読み込む
- 選択肢を先読みする
- キーワードの言い換えがされた選択肢を選ぶ
- 専門単語が出てきても気にしない
- 最初に流れるタイトルを聞き逃さない
パート3はSituationと質問がわかった状態での会話の内容一致です。SituationとQuestion を先読みし、流れてくる場面や状況を想像しておくことが大事です。
解き方のコツは次のとおりです。
- Situationで重要となりそうな箇所(数字など)に印をつけておく
- Situationを覚え、聞かれている重要な部分だけを必ず聞き取る
- 聞きながら条件に合わない選択肢を消す
パート4はインタビューの内容一致です。インタビューの内容を予想しながら選択肢を先読みしましょう。聞き手の質問にゲストが答える形式で進行します。
解き方のコツは下記のとおりです。
- 最初の一文で流れる、ゲストの簡単な仕事内容の紹介を聞き逃さない
- 聞き手が聞く内容に注目する
- 緩急をつけて集中する
- ゲストが話す大まかな内容を理解する
- 速読を意識した選択肢の先読みをする
- さまざまなアクセントに慣れる
メモをとるのはパート3のみでOKです。他のパートは聞くことに集中し、話の大まかな内容を理解することを優先してください。
ぜひ今回の記事を参考にし、あなたもリスニングパートで90%以上の正答率を目指して頑張ってください!