- 「選択肢の先読みをしていても、パート1が聞き取れない」と悩んでいませんか?
- 「逆に、先読みしないと会話が理解できない」と思い込んでいませんか?
リスニングパートの出だしからつまずくと、気分も落ち込みますよね。実は先読みのテクニック以外で点を稼ぐ方法があります。そもそもパート1は先読み効果が期待できないんです。
なぜなら、パート1は前もって正しいリスニング内容を予測できないからです。対して、パート2 - 4はこれから聞こえてくる内容を予測できるようになっています。
具体的には、
- パート2: パッセージのタイトルから放送
- パート3: Situationと質問文を読む時間が与えられます
- パート4: インタビューされる人の紹介文が最初に流れます
しかしパート1はどうでしょう? 選択肢しか問題用紙に書かれておらず、いきなり会話のリスニングが始まります。そして会話が終了したかと思ったら、すぐあなたが答える質問が流れますよね。
あなたの純粋なリスニング力が一番要求されるパートなんです!
今回は先読み以外の、どなたでも取り組める点を稼ぐための方法をご紹介します!私自身や知人の合格者も行った方法なので、ぜひ最後まで目を通して取り入れてみてください。
- おすすめの対策法を5つ学べる
- 過去問分析からわかった問題の傾向がわかる
- がんばって先読みをしなくてイイ理由がわかる
- それでも先読みしたい方へのアドバイスがわかる
まずは対策法から解説していきます。
英検1級のリスニングパート1の対策 1: 理解できなかった時の対処法を決めておく
あなたは正解がわからない問題と出会った時、どうしていますか? 捨て問にしますか? 少し考えますか?おすすめはわからない問題はパッと捨てて、次の問題に気持ちを向かわせることです。
とはいえ、潔く分からない問題を捨てるのは気が引けますよね。解答時間ギリギリまで粘りたくなる気持ちもわかります。ギリギリまで考えて正解を選べるのであればOKです。
しかしパート1はうーん。と感じた時点で正解を選べないです。
理由は下記の3つ。
- リスニングは一回のみ放送。聞き直せない
- 口語表現が正解のヒントだった時、表現の意味を知らないと正解できない
- 正解を選べないということは、そもそも内容を聞き取れていない
パート1では細かいことは問われません。概要を聞き取りできていなければ、選択肢をいくら眺めても正解を選ぶのは難しくなります。
そこでおすすめの方法が、難しい問題と出合った時の対処法を決めておくことです。あなたの中で、理解できなかった会話が流れてきた時のやるべき行動をルール化してしまうのです
ルールを決めてしまえば、どうしよう!と迷うことはなくなります。どうしようと焦っている時間が一番もったいないです。
例えば、パート1は後半が難しいと感じる受験者が多いはずです。特に最後の10問目は登場人物が3人で、会話もボリュームがありますよね。私も誰が何をしゃべっているのか、誰が誰なのか展開に追いつかない時がありました。
運よく質問の答えがわかればイイですが、私は正解がわからない時はすぐ適当に解答を選ぶことをルールとしました。
「 わからない問題 = 捨て問にする 」 というルールにしてしまったのです。ルールにしてしまえば、あとはルールを守るだけとなり迷わなくなります。
後ろ向きな考えに聞こえるかもしれませんが、わからない問題はいくら考えてもわかりません。
むしろ難易度が高い問題は、他の受験者も迷っているはずです。あえて難しい問題に時間をかける必要はないです。気持ちを落ち着かせ、確実に正解を取れる問題を増やし、リスニング全体の正答率を上げましょう。
英検1級のリスニングパート1の対策 2: 口語表現を知る
口語表現を知っているほど有利です。スラングや難しいフレーズではなく、日常的に使われる表現です。
なぜならば、パート1は日常表現がたくさん出てくるパートだからです。口語フレーズを身につけているほど内容を正しく把握でき、正解を選べる可能性が高まります。例えば、過去に出たことのあるよく知られた表現は下記のとおりです。
- so far, so good
- in the same boat
逆に過去に出た表現でも、意味を知らないと一瞬なんだろう?と思ってしまいそうな例は、下記のとおりです。
- be through the roof (数などが)非常に高い
- get the ax 解雇される
もちろん、表現を知らなくても会話全体から意味を推測できることはできます。しかし試験中はテンポよく問題を解いていく必要があり、ゆっくり意味を考えているヒマはありませんよね。
むしろ口語表現を知っているか、知らないかで会話の理解度が左右されてしまうこともあります。
もしあなたが "get the ax" の意味を知らなかったら、文字通りにとらえてしまうかもしれません。そうすると、「斧をもらう」 となってしまい本来の内容にそぐわないです。
日常的な表現を習得するためのおすすめの勉強方法
- 準1級や2級の単語帳の熟語を見返す
- 日本英語検定協会の公式サイトから過去問のスクリプトをダウンロードし、知らないフレーズを覚えていく
- 新たに専用のフレーズ集を購入してもOK
口語フレーズは無数にあります。全てを覚えようとせず、まずは英検に出てきやすいものから覚えていく気持ちでOKです。
英検1級のリスニングパート1の対策 3: 日常シーンをイメージできるようにする
英検1級に合格したい方の相談に乗っていて、気づいたことがありました。それは海外ドラマや海外映画が好きな人ほど、パート1が得意だと言うことです。
得意な理由は下記の2つ。
- パート1が日常会話をベースにした問題なため
- 日常的なシーンを見ているので、同じような状況を聞いた時、頭の中でイメージしやすい
対策2でもご紹介したように、どれだけ口語表現を知っているかがカギです。それに加え、会話の状況をすぐ把握することも理解度に大きく関わってきます。質問は会話の内容一致なため、頭の中で話をイメージできれば解答できます。
よって海外ドラマなどを見るメリットは次の2つ。
- 日常会話でよく使われる単語や表現を、映像を通して学べる
- リスニング内容をイメージできる
でもドラマや映画を観る時間がない!そもそも興味がない!という方も安心してください。
ここからはめんどくさがりな私が実践していた、日常英会話を聞くための方法を2つご紹介します。
- YouTubeでネイティブのリアルな日常動画を見る
- Podcastでネイティブの英会話番組を聞く
どちらの方法も15分以内に終わるので、手軽に知っている口語表現を増やせます。
英検1級のリスニングパート1の対策 4: 質問を慎重に聞く
質問を慎重に聞いてください。なぜならば質問は印刷されていません。いくら会話を聞き取れたとしても、質問を正しく聞き取れなければ、正解できません。
当たり前と思われるかもしれませんが、意外と聞き取れた時ほど油断してしまうので注意が必要です。特に質問の主語に注目です。多くは2人の会話です。
そのため、どっちの登場人物について問われているのかなど細部まで聞き取ってください。選択肢には両方の発した発言が含まれているひっかけ問題もあります。
質問で聞かれやすいことなどは、後ほど詳しく解説しています。急いでいるかたは、ここをクリックしてください。
英検1級のリスニングパート1の対策 5: 過去問を解きまくる
パート1は過去に出題された問題が再度出ることがあります。一度解いたことのあるリスニング問題が出てくれば、心に余裕ができます。
過去3回分は日本英語検定協会の公式サイトから入手できます。ぜひ、解いてみてください。また旺文社から、過去6回分を集めた問題集も出ています。余力のある方は解いてみてください。
過去問に取り組む時は、スクリプトを見て口語表現もチェックすることをおすすめします。
英検1級のリスニングパート1の傾向
会話の場面は家族間の会話から、オフィスでの会話など内容は多岐にわたります。さまざまな生活場面が出てくるため、残念ながら特定は難しいです。
しかし、内容の話の展開は傾向があります。
内容を予測しづらい分、パターンを知っておくことが話を理解する手助けになります。どのパターンに当てはまるかを意識しながら解くと、正答率が上がります。
ではパターンをみていきます。
出題されやすい会話の内容
過去5年分をみると次の3パターンにわけられました。
- パターン1. 問題が起きる ⇒ 解決案が出る
- パターン2. 登場人物の意見がわかれる
- パターン3. 何か不安や疑問なことがある ⇒ 解決案が出る
会話はフルセンテンスで始まったり、つなぎ言葉から始まる場合もあります。つなぎ言葉から始まる場合、以下の言葉がよく登場します。
- So, ほにゃらら
- 固有名詞, ほにゃらら
- Well, ほにゃらら
質問で聞かれやすい内容
会話が終わった直後に、あなたが答える質問が流れます。質問は [What] または [Why] で聞かれます。
上記で確認した会話のパターンによって、聞かれやすい質問の形が異なります。
パターン1. 問題が起きる ⇒ 解決案の場合
登場人物は何をしようとしている?
パターン2. 登場人物の意見がわかれるの場合
登場人物は何を言っている?
パターン3. 何か不安や疑問なことがある ⇒ 解決案が出るの場合
登場人物は (なになに) についてどう考えている?
登場人物は何が心配?
質問はパターン1-3のように、登場人物が主語の場合と、受験者が主語の場合があります。受験者が主語の場合、質問は次のような形です。
We は (ほにゃらら) について何がわかりましたか?
どの質問形式で問われても、結局は会話全体の内容が問われています。会話の流れについていきながら、イメージすることが大切です。
英検1級のリスニングパート1は先読みが不要: 内容を予想できないため
パート1は先読みすることをおすすめしません。
理由は2つ。
- 具体的にどんな展開で話がされるのか、どんな質問が問われるのかを予測できない
- 会話で触れられない単語が選択肢に出てくる
先読みをする理由は内容を予測するためのはずです。冒頭でもお伝えしましたが、パート2からパート4は選択肢以外のヒントから内容を予測できるので、先読みが重要になります。
しかし、パート1は選択肢しか問題用紙に印刷されていません。あらかじめ、聞こえてくる会話を予測するのには限界があります。
例を挙げます。選択肢に、それぞれ以下のキーワードがあるとします。
- カメ
- イヌ
- ネコ
- ウサギ
選択肢から予想できる会話のテーマは次のことが考えられます。
- ペットショップでの会話
- 獣医師との会話
- 飼い主同士の会話
- 図鑑を見ている子どもと大人の会話
上記のように、
- 会話のテーマをしぼることも
- 予測が間違っている可能性も
- 先読みをしてしまうと頭に入る情報が増え、メンタルの負担にも
なります。
あなたは、予想していた内容とは違う情報が聞こえてきた時、落ち着いてリスニングできる自信はありますか?
やることは先読みなしで、リスニングに挑むだけ
先読みはリーディングです。リーディング直後で疲れている中で、さらなるリーディングをするより、リスニングのみで挑んだ方が体力気力の温存にもつながります。
先読みをしないと話を理解できないのでは?スコアが伸びないのでは?と心配になっているかもしれません。次にスコアアップした実例をご紹介します。
先読みなしでスコアアップに成功した実例
ここで、先読みをしない対策法でスコアアップに成功した合格者の事例を2つご紹介します。青丸は先読みした結果、赤丸は先読みなしの結果です。
先読みした結果 6 ⁄ 10 → 先読みなし結果 10 ⁄ 10 全問正解に成功
先読みした結果 4 ⁄ 10 → 先読みなし結果 9 ⁄ 10 9問正解に成功
先入観なしで聞いた方が集中してリスニングでき、正答率が高まったことがわかります。
それでも先読みをしないと不安な方へ: 後半の先読みを優先する
先読みはおすすめしない理由を解説してきましたが、
- それでも先読みをしないと不安!
- 先読みをしておきたい!
という方へのアドバイスです。
問題の後半部分を優先的に先読みしてください。なぜならば、後半は選択肢の語数が多くなる傾向にあるからです。
特に最後の問い、10番目に目を通すとイイです。理由は、ワードが10語前後ですので他の問題より時間がかかるためです。先読みは大きなテーマをとらえる程度にとどめておいてください。
英検1級のリスニング【先読み不要】パート1の対策と傾向のまとめ
今回は英検1級リスニングパート1の先読み以外の対策法、先読みをおすすめしない理由、どうしても先読みをしたい時のアドバイスをまとめて解説しました。
まず、先読み以外の5つの対策法は次のとおりです。
- 捨て問の対処法をルール化する
- 知っている口語表現を増やす
- 日常シーンをイメージする
- 質問を慎重に聞く
- 過去問を解きまくる
過去問の傾向を知ることも高得点を取るには欠かせません。問題は、以下のような出題される傾向にあります。
- 問題が起きる → 解決案が出る
- 登場人物の意見がわかれる
- 何か不安や疑問なことがある → 解決案が出る
質問は会話全体の概要を問う質問が多いです。例外的に、パート1は先読みすることをおすすめしません。なぜならば、具体的にどんな展開で話がされるのか、どんな質問が問われるのか予測できないためです。
それでも先読みをしないと不安な方は、最後の問題のみ目を通しておくとOKです。
他のリスニングパートについての詳細は、以下の記事で解説しています。知らないと損する先読みすべき箇所などについて解説していますので、興味があればぜひご覧ください。