英検1級【リスニングのパート2対策11選】7年分の過去問を元に解説

リスニング対策

英検1級のリスニングPart 2が一番苦手、という感想をよく耳にします。内容も授業やセミナーを受けているかのようなテーマばかりで、堅苦しいですよね。

でも実はPart 2こそ対策すべきパートです。なぜならばコツさえ把握すれば、一番聞き取りやすいパートに変わるからです! 私の友人も対策なしの時はPart 2で苦戦していましたが、対策法を知った後は点数を稼ぐことパートに変え、見事英検1級に合格しました。

今回は7年分の過去問から導き出されたPart 2の解説をしています。ぜひ、あなたも捨てパートにせず、点数を稼ぐパートにしてみてください。

この記事を読むメリット

リスニング Part 2の問題形式がわかる
Part 2が難しい理由がわかる
Part 2の傾向がわかる
Part 2に特化した対策法11選がわかる

まず問題形式と傾向を確認した上で、どんな対策が有効なのかを解説します。

英検1級のリスニングPart 2の問題形式

特徴を下記にまとめます。

  • 200ワードくらいのパッセージを聞き、その内容についての質問を2つ答える
  • 1つのパッセージは2 · 3つのパラグラフから成る
  • 流れるパッセージは5題、質問は計10問
  • 質問の選択肢のみ問題用紙に印刷。パッセージと質問は印刷なし

リスニングのPart 2が難しい原因

そもそも、なぜPart 2を不得意と感じる方が多いのでしょう? 難しいと感じる原因は次の3つです。

  1. 選択肢しか印刷されていないので、リスニング力が試される
  2. 長さが1分半 - 2分間と聞く量が多い
  3. 内容がアカデミック

原因1と原因2を克服するには、リスニングの基礎体力を高めることが一番の近道になります。毎日1分でOKですので、積極的に英語に触れてみてください。後述する対策のところで、おすすめの音声を紹介しています。

原因3は以下で確認する、傾向や対策法を知ることで解決可能です。

英検1級のリスニングPart 2の傾向

問題の傾向を確認していきます。

出題テーマの半数は自然科学

アカデミックな内容が多いです。リーティングの内容一致問題の内容と似ています。過去7年間で出題された105題を分野別に分類してみました。

英検1級リスニングパート2の出題テーマ

54%が科学に関するテーマ

その科学をさらに分類してみると、次の分野がよく出題されています。

英検1級リスニングパート2の頻出科学テーマ

自然科学の中でも環境、生物、健康、医療に関するテーマが多い

テーマ出題回数
環境17
生物12
健康10
医療9
その他9

パッセージは論理的な構成

実はリスニングパートの中では、リスニングしやすいパートです。なぜならば、テーマがアカデミックなため、論理的な展開で話されるパターンがとても多いためです。

論理的に話されているからこそ、展開を予想でき、リスニングしやすいパート

次の4パターンで話が展開されることが多いです。

  • 問題点を説明し、解決策を提示
  • メリットを説明し、デメリットをあげる
  • 何か主張し、反論を紹介
  • 大まかなコンセプトを説明し、具体例をあげる

問題を解くときは、どのパターンに当てはまるかを意識しながら聞くと、理解しやすくなります。例えば、メリットが聞こえたら、次はデメリットが聞こえてくるなと予想できます。

質問はメインポイントが聞かれる

パッセージのメインポイントを聞かれる質問が大多数です。

What で始まる質問が多いです。例えば2019年第1回目は全てWhat疑問文でした。例えば以下のような質問が聞かれます。

  • 問題点はなに?
  • 解決策はなに?
  • 専門家が主張したいことはなに?
  • 挙げられた一つの反対意見はなに?

その他、HowやWhyで始まる質問が聞かれることもあります。

1つ目の問いは前半の内容から、2つ目の問いは後半の内容から出題されるパターンが多いです。

ここまで形式と傾向を解説しました。質問を解く時は次の11個の対策が有効です。

英検1級のリスニングPart 2の対策法11選

役立つ対策法は次の11個です。

  1. 講義形式のリスニングに慣れる
  2. 科学テーマに慣れる
  3. 細かい部分より大まかな内容を意識する
  4. スクリプトを読み込む
  5. 選択肢を先読みする
  6. 言い換えに気づく
  7. 専門用語は気にしない
  8. パッセージのタイトルを聞き逃さない
  9. メモはとらない
  10. 気持ちを切り替える
  11. 準1級のPart 2を解く

講義形式のリスニングに慣れる

私もそうでしたが、Part 2が苦手な方はそもそも、講義スタイルのリスニングに慣れていないことが多いです。そのため、まずやるべき対策は、一方的に説明してくれるスタイルの音声に慣れることです。何度かご紹介している、次の教材がおすすめです。

おすすめ音声: めざせ1級! 英語上級者への道 Listen and Speak
  • 英検の公式ポッドキャスト番組
  • Part 2の過去問を利用した音声
  • 無料

科学テーマに慣れる

科学テーマの音声に慣れることも、とても大切です。なぜならば、科学系のテーマが一番出題されるためです。解説を再確認したい方は、ここの出題テーマをクリック。

科学になじみのない方は動画から取り組むと、無理なく耳を慣らすことができます。

おすすめ動画と無料音声
  • Clarendon Learning (YouTube番組、プレイリストからScience Videos for Kidsを選択)
  • Popular Science (YouTube番組)
  • 60 - Second Science
  • Science Weekly
  • Science Vs

細かい部分より大まかな内容を意識する

細かい内容よりパッセージのメインポイントを押さえることが大事です。なぜならば、質問ではメインポイントが問われるためです。上記の展開パターンや質問パターンで解説したところを、聞き取ればOKです。

例えば、次のことに注意してリスニングしてみてください。

  • 問題点は?
  • どんな反論意見や解決策が紹介されてる?

スクリプトを読み込む

メインポイントを聞き取るには、メインポイントが出てきそうなタイミングを知ることが大切です。

例えば、次のようなパターンがあります。

  • 「however」 や 「ほにゃらら, while ほにゃらら」が出てきた後は反論や問題点
  • 「by Ving」の後は解決策

スクリプトを読むと、例のような、『このフレーズの後にメインポイントが来る』というパターンが見えてきます。全て聞き取れなくても、正解できるのはこのためです。過去問のスクリプトは、英検の公式サイトからダウンロードできます。ぜひ、Part 2のところだけでも一回目を通すことをおすすめします。

選択肢の先読み

選択肢の先読みは必須テクニックです。選択肢の先読みのポイントは次のとおりです。

  • 共通のキーワードを確認しながら内容のテーマを予想、印をつけていく
  • 選択肢は難しくないので、一問ずつ先読みしリスニングする

選択肢のキーワードとなりそうなところに印をつけておくと、正解を選びやすくなります。なぜならば、あとは印をつけたところに注意してリスニングをするだけだからです。印をつけるところの例をご紹介します。

例1: 選択肢の主語が同じの場合
動詞や名詞に注目し、区別しておくことをおすすめします。過去7年間分を見ると、主語は It や They で始まるケースが大多数です

例2: By - ingの選択肢
解決策を問われるパターンです。By に続く内容を確認しておきましょう

例3: 共通のキーワードがない選択肢
それぞれの選択肢を区別できるところに印をつけておくことをおすすめします

言い換えに気づく

聞こえてきたキーワードが言い換えられた選択肢が、正解になります。

例えば2016年度第一回の問題を見てみます。正解である「dental problem」 が「oral health problems」と言い換えられていました。

大体、前半に最初の質問のキーワード、後半に2つ目の質問のキーワードが出てきます。

キーワードの言い換えがされた選択肢を選ぶ

専門用語は気にしない

科学の話ではよく専門用語が出てきます。知っていればOKですが、理解できなくてもあわてないでください。必ず簡単に説明されます。また選択肢では、難しい専門的な単語は出てきません。

タイトルやパッセージに出てくる専門用語は気にしなくてOK

パッセージのタイトルを聞き逃さない

各パッセージが流れる前に、タイトルが流れます。タイトルを聞き取ることで、パッセージ全体の理解に役立ちます。

出だしのタイトルに集中し、テーマを理解する

メモはとらない

リスニング中はメモをとることができます。そのため、メモをとりながらの方が正解しやすいイメージですよね。ですが、おすすめは「聞くことのみに集中」することです。むしろメモを取ると、聞くことがおろそかになってしまうかもしれません。

メモなしで、十分正解を選べますので安心してください

気持ちの切り替え

5題とも内容はバラバラです。途中ペースをくずしてしまっても、わからない問題があっても、気持ちを新たにして次の問題で正解することが大事です。

準1級のPart 2を解く

準1級のリスニングPart 2も解いて、問題に慣れることをおすすめします。形式も同じですし、内容も科学ものばかりです。3回分の過去問が英検の公式サイトからダウンロードできます。

準1級のPart 2も解いて問題に慣れる

英検1級【リスニングのパート2対策11選】7年分の過去問を元に解説のまとめ

今回は多くの受験者が難しいと感じる、英検1級のリスニングパート2に特化した記事でした。Part 2が難しく感じる理由は次の3つが考えられます。

  1. 選択肢のみしか印刷されていないので、真のリスニング力が試される
  2. 長さが大体2分間と聞く量が多い
  3. アカデミックなテーマが出題

問題形式をまとめます。このパートは2つ、あるいは3つのパラグラフから構成された200ワードくらいのパッセージを聞き、その内容についての質問を2つ答える形です。

出題されやすいテーマは科学に関する内容です。過去7年間の105題中、半数以上 (54%) が科学でした。特に自然科学の環境、生物、健康、医療に関するテーマが多いです。

これらのテーマは論理的に話されるケースがとても多いです。具体的には次のパターンを考えながらリスニングすると、内容を理解しやすくなります。

  1. 問題点から解決策
  2. メリットからデメリット
  3. 主張から反論
  4. 大まかなコンセプトから具体例

取り組める対策11選をまとめます。

  1. 講義形式のリスニングに慣れる
  2. 科学テーマに慣れる
  3. 細かい部分より大まかな内容を意識する
  4. スクリプトを読み込む
  5. 選択肢を先読みする
  6. 言い換えに気づく
  7. 専門用語は気にしない
  8. パッセージのタイトルを聞き逃さない
  9. メモはとらない
  10. 気持ちを切り替える
  11. 準1級のPart 2を解く

Part 2 が苦手と感じる受験者は多いですが、論理的に話されているからこそ、リスニングしやすいパートでもあります。ぜひ1点でも多くの点を稼いで、合格を目指してみてください!

他のリスニンパートの対策法を知りたい方は、ぜひこちらのリスニングパート別攻略記事をご覧ください。

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