英検1級のリスニングパート4は · · ·
- リスニングが長すぎて、ちっとも頭に残らない
- 一問も正解できない
と悩んでいませんか?
パート4は試験の最後に解くため気力、体力ともに限界ですよね。実は一字一句を聞き取らなくても正解できるんです! なぜならば、パート4で扱われる話題や、あなたが答える設問はパターンがあるからです。
今回は、「形式」 · 「過去問分析から分かった傾向」 · 「対策」 の全てを合格者が解説します! あなたも聞き取るポイントさえ把握していれば、どんなに疲労がピークに達していても点を取れます。
パート4の問題形式がわかる
過去問分析からわかった傾向がわかる
楽して聞き取るための対策法7選がわかる
結論を先にお伝えします。まずインタビューの内容は、ゲストの仕事やゲストが考える仕事観についてです。設問も内容の大まかなポイントがそのまま問われます。ひねった問題はありません。おすすめの対策は7つありますが、一番重要な対策は緩急をつけてリスニングをすることです。
英検1級のリスニングパート4はインタビュー形式
パート4の問題形式をまとめます。
- ゲスト (インタビューされる側) と聞き手 (インタビューする側) の2人のやりとりを聞いて、その内容に関する質問を2問答える形式
- 正解は4つの選択肢から選ぶ
- 問題用紙には選択肢のみ印刷
- リスニングの長さは約3分半
- インタビュー、設問ともに放送は1回
全体は次のような感じです。
インタビューが始まる前にゲストの名前と肩書が流れます。
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聞き手が質問を投げかけます。
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ゲストが質問に答えます。
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聞き手が違う質問をします。
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ゲストが回答します。
注意点は2つ。
- やりとりの数は回によって異なります
- インタビュー終了直後に、あなたが答える設問が流れます
インタビュー音声はリアル
ゲストは数個の質問を聞かれ、それぞれ110 - 200 ワードで返答をします。実際のインタビューのようにゲストが言い直したり、少し詰まったりするような様子も流れます。リスニングパートの中では、一番リアルなネイティブ会話です。
英検1級のリスニングパート4の傾向
インタビュー内で聞き手がゲストに聞くことや、あなたが聞かれる設問は傾向があります。
出題されやすいテーマはゲストの仕事について
ゲストの仕事について聞くテーマが多いです。例えば過去には以下のような職業の人が登場しました。
- 写真家
- ウェブデザイナー
- アドバイザー
- コンサルタント
- メンタルヘルスカウンセラー
- メーカー勤務
ほとんどはゲストの仕事内容についてのインタビューですが、例外として体験談が出てきたこともあります。例えば2015年度第3回では、ゲストのボランティア経験談が出題されました。
インタビュー内の質問はパターン化されている
聞き手はゲストに次のことを聞くことが多いです。
- 仕事内容
- その仕事を選んだ経緯
- 問題点
- 良い点
- 就いている業界が直面する課題
- 今と過去で変わった点
あなたが聞かれる設問もパターン化
What で始まる設問が大多数です。ゲストが就いている仕事について、例えば以下のようなことがよく過去問で聞かれています。
- ゲストが仕事をする上で難しいことはなに?
- 直面している問題はなに?
- (なになに) についてゲストはなんと考えていますか?
- (なになに) についての例はなんですか?
1つ目の問いは前半の内容から、2つ目の問いは後半の内容から出題される傾向にあります。
英検1級のリスニングパート4の対策7選
設問を解く時に役立つ、7つの対策は以下のとおりです。
対策1: ゲストの紹介を聞き逃さない
対策1つめはインタビューの冒頭で流れる、「ゲストはこういう仕事に就いています」という、一文の仕事内容の紹介を聞き逃さないことです。なぜならば、その後流れてくるインタビューのテーマを理解する手助けになるためです。
注意点は、一文でゲストの名前と紹介がされることです。
名前は聞き逃しても問題はありませんが、仕事の紹介は集中していないと聞き逃してしまうので要注意です。
たかが一文、されど一文です。
パート2もタイトルが流れてから、本題に入りますよね。このパートはタイトルを聞き逃しても、本題の理解度に大きな影響はありません。むしろタイトルに専門用語が入っていたりし、理解できないこともあります。しかし、パート4は理解度に直結します。
対策2: 聞き手の質問に注目する
2つめの対策は聞き手の質問に注目することです。
なぜならば聞き手の聞いた内容がそのまま、あなたが答える設問で問われたり、言い換えられた形で聞かれるからです。
例えば、聞き手がゲストに「仕事上の大きな課題はなんですか?」と聞き、ゲストが返答します。
あなたが答える設問も、「ゲストが直面した問題はなんですか?」と聞かれます
例のような、聞こえてきた質問がそのまま問われたケースが過去にいくつもありました。
対策3: メインポイントをおさえる
対策3つめは前半、後半ともにゲストが主張したいことを聞き取ることです。
過去問を解いているのに、点が取れないときの要因はメインポイントをおさえていないことが挙げられます。
ポイントさえ理解できれば、仮に話していることが全てわからなくても、選択肢から正解を選ぶことができます! 意識するリスニングポイントは先ほど、傾向のところで確認した次のことです。
ゲストが考える問題
ゲストが考える良い点
就いている業界が直面する課題
今と過去で変わった点
メインポイントをきちんと聞き取れるようになるには、次の対策が有効です。
対策4: 緩急をつけて集中する
結局、大事なところを聞き取るにはその部分が流れていたときに、集中していないといけません。そこで重要になってくるのが、集中して聞くタイミングをコントロールしたリスニングです。
なぜならば、3分半のインタビューを最後まで集中して聞いているのは大変だからです。もちろん、全てを聞き取るのが理想です。けど私自身もそうだったのですが、最後の最後までずっと集中しているのは難しいですよね?
そのため、絶対聞かなければいけない部分で集中できるように、あらかじめ「このワードが聞こえてきたら集中」という合図を把握しておくとOKです。
例えば、以下のようなワードを聞き手が使ったら、ゲストの返答に注意してみてください。
- issues
- challenges
なぜならば、ゲストが何か問題点に触れる合図だからです。そしてその問題点は、設問で問われる可能性が高いです。
緩急をつけたリスニングは、対策1の「ゲストの紹介を聞き逃さない」や、対策3の「メインポイントをおさえる」につながる対策です。
インタビューが長すぎて話が頭に残らない!とお困りの方は、緩急をつけたリスニングをしてみてください。ゲストの正解のヒントとなるセリフを聞き逃さないようになります
対策5: 速読を意識した選択肢の先読みをする
選択肢の先読みはリスニングパートでは必須の対策ですよね。パート4の先読みは少し速読を意識してください。というのも選択肢の語数がここ最近、15語以上と多めになっているためです。
例えば、2019年度第2回目の時は全ての選択肢は一行で収まっていました。しかし、2020年度に行われた試験は二行にわたるものが多かったです。インタビューのテーマを予想するためにも、先読みをしてからリスニングに挑んでください。
先読みするタイミングは、Directionが流れているときで十分間に合います。
対策6: さまざまなアクセントに慣れる
普段から色んなアクセントの英語に聞き慣れておくことをおすすめします。なぜならば、インタビューではさまざまなアクセントのゲストが登場するためです。特に私のように日本で英語を学習してきた方は、アメリカ発音以外に慣れていない現状があります。
母国語の方言も同じことが言えますよね。普段聞きなれないイントネーションだと、少し違和感を感じてしまいます。けど慣れれば、少しずつストレスなく聞き取れていきます。
ぜひ積極的に他のアクセントも聞いて耳を慣らしておくと、もっとスムーズに英語を聞き取れるようになります
過去問を解くのも大切ですが、私は短いリアルのインタビュー音声でメインポイントを聞き取る練習をしていました。リアルなものも冒頭に簡単な紹介があったり、言い直しなどがあるのでパート4の練習に最適です。
ここで、メインポイントの聞き取り練習になるおすすめインタビュー音声をご紹介します。
- Podcastなので無料
- 内容がゲストの仕事についてなので練習にぴったり
- 言い直しなどがとてもリアル
- mock interviewで検索
- 話の展開が英検と似ている(自己紹介 ⇒ 深い内容)
- 特に、困難なことや成し遂げたことをピンポイントで聞き取る練習になる
対策7: メモはとらない
試験中はメモをとることが許されていますが、おすすめはメモなしで解くことです。なぜかというと、対策3で触れましたが、話の大まかなポイントを把握すれば正解できるためです。
パート3と違い、条件などをメモするシーンはありません!自分のリスニング力を信じましょう!
英検1級 【リスニング】パート4攻略に必要な傾向把握と対策を解説!のまとめ
今回は過去問分析からわかった英検1級のリスニングパート4の傾向と対策法を解説しました。
問題形式を復習します。ゲストと聞き手のインタビューを聞いて、その内容に関する設問を2問答えるパートです。内容はゲストの仕事や活動内容について聞くことが多いです。受験者が答える設問はゲストが話した内容がそのまま問われます。
設問を解く際、次の7つの対策法が有効です。
対策1はゲストの紹介文を聞き逃さないことです。
対策2は聞き手の質問に注目することです。なぜならば、聞き手の聞いた内容がそのまま、あなたが答える設問で問われるからです。
対策3はインタビューの要点を押さえることです。
対策4は緩急をつけて集中しリスニングすることです。
対策5は速読を意識した選択肢の先読みです。なぜならば語彙数が多いからです。
対策6はアメリカ発音以外のアクセントに耳を慣らすことです。
対策7はメモなしでリスニングに集中することです。正解は大まかな内容を問われますので、メモをとらなくても正解できます。
ぜひ今回ご紹介した傾向を頭に入れながらパート4を聞いてみてください。2問中1問でも正解できれば、合格にぐっと近づきます!
他のリスニングパートについて詳しく解説した記事も、合わせてぜひご覧ください。