【英検1級の長文対策】読めない原因と正解するための対策法4選!

英検1級の長文読解対策のアイキャッチ画像リーディング対策
  • 長文の内容(リーディング問題)がそもそも理解できない
  • とにかく時間が足りなくて、全て読み切れない
  • 読めているはずなのに正解できない
  • どの選択肢も正解に見える

と苦戦していませんか? 1級の一次試験は語彙から空所補充、長文読解、英作文と問題が盛り沢山のため時間がいくらあっても、リーディング時間が足りないですよね。今回の記事は、限られた時間内でも長文読解パートで正解を取るための鉄則と対策をメインに解説します。

この記事を読むと次のことがわかる!
  • 1級の長文読解のレベルがわかる
  • 長文読解が読めない原因がわかる
  • 長文読解を解く時の鉄則がわかる
  • おすすめの解き方の流れがわかる
  • 長文読解でやるべき対策法4選を理解できる
  • 合格者がおすすめしない勉強法がわかる

はじめに長文読解のレベルを確認し、読めない原因を探っていきます。その後、正答率UPに欠かせない鉄則を確認し、解き方の流れ、対策法、NGな対策法を解説していきます。

結論を先に述べちゃいます。最近の傾向として読解の設問は素直な問題が多く、不正解の選択肢は明白に「ここが本文と違う」と指摘できるので、正解を選びやすくなっています。そのため、長文は内容を完璧に理解できなくても、キーポイントをつかめば正解できるパートです。おすすめの対策法は1. 語彙力を伸ばす。2. パラグラフ毎のキーポイントをとらえる読み方をする。3. 短いニュース記事を精読する。4. 読むスピードに気を付けることです。逆におすすめしない対策法は洋書の多読です。

それでは、長文が読めない原因から見ていきます。

英検1級の長文読解は語彙問題より易しい

難易度を確認していきます。1級の長文読解問題と聞くと、すごいレベルが高そう! ネイティブレベル! というイメージがあると思います。私も受かる前までは、読めない! 時間が足りない! いまいち内容を理解できない! でした。事実、長文の難易度を確認すると、1万語レベル以上の単語が入っています。詳しくは長文の語彙レベルについて調べたみた、こちらの別記事をご覧ください。

難度の高い語彙が本文に含まれているとは言え、実際は大問1の語彙問題と比較すると長文は難しくありません。なぜならば、語彙は無限にあるため、難度を高めようと思えばいくらでも語彙問題のレベルを上げることができちゃいます。対して、リーディングは難しくしようにも限界があります。所々、構文が読みにくい部分がありますが、それでも設問自体は素直な問題で、本文に必ず答えが書いてあります。

また、読解は「読む時間さえ確保」できれば、内容を理解でき正解を探すことができます。語彙問題はいくら眺めても、知らない単語の意味は頭に浮かんできません。

長文読解は設問の選択肢が素直。しかも本文に答えが書いてあるので語彙問題より正解しやすい

長文読解が読めない原因まとめ

では、どうして読解問題を難しく感じるのでしょう? 大きく6つの原因が考えられます。

長文が読めない原因

  • 語彙不足
  • 大きなキーポイントをとらえていない (構文を把握していない & 構文を読み慣れていない)
  • トピックに左右されがち
  • 読む時間が足りない
  • 読むスピードと読み返しのクセの問題
  • 1級は難しいという思い込み

一つひとつの原因を詳しくみていきます。

読めない原因1

一つ目の原因は、語彙不足です。知らない語彙ばかりでは、文章の意味を理解するにも限界があります。研究から文章中の95% – 98%以上の語彙を事前に知っておかないと、その文を理解できないとされています。もちろん背景知識がある文章でしたら、知らない単語がいくつか出てきても、語彙力不足を知識で補うことができ、内容を理解できるかもしれません。しかし、どんな内容でも、正解を選択できるだけの語彙力を身につけておくことが必要です。具体的な語彙対策は後ほど詳しく解説します。すぐに対策法を知りたい方は、ここをクリック。

ちなみに、1級の長文問題は8,000語レベルを把握していると95%、12,000語レベルを把握していると98%に達することができます。長文の語彙レベルについては別記事で詳しく解説しています。

読めない原因2

二つ目の原因は、それぞれの文が伝えたいキーポイントをとらえていないことです。キーポイントをとらえるには、文構造の知識が必要です。今さら文構造の把握が大切と言われても · · · と思われるかもしれませんが、1級レベルを受験する方でも「読めない」と悩んでいる方は、『英文の構文を把握していない』か、『文構造をとらえる練習が足りていない』かもしれません。なぜならば私たちは普段、SNS独特の不完全な文や、広告独特の表現を目にする機会は多いです。しかし、英検に出題されるような英文は意識して読まないと目に触れません。

読めない原因3

三つ目の原因は、問題のトピックに左右されてしまうことです。英検の長文読解は、歴史物や科学に関することなど、内容は様々です。長文で点を取るには、なじみのある分野も苦手なトピックも、大体理解できることが必要です。

読めない原因4

四つ目の原因は、長文読解にあてる時間が足りないことです。一次試験は読解のみならず英作文などもあり、上手に時間配分をしないと長文を読む時間が無くなってしまう試験です。合格者自身も試した、おすすめの時間配分の仕方は別記事で解説しています。読み終わらないと悩んでいる方は、ぜひ別記事を確認してみてください。

読めない原因5

五つ目の原因は、四つ目の原因と関連しますが、読むスピードと読み返しの問題です。読解量が多いため、つい速く読もうとして、内容を追える速さ以上のスピードで読んでいませんか? あるいは、同じ文章を何度も読み返してしまうクセがついていませんか? 1級の読解は決して速読を求められてはいません。緩急をつけた読み方がおすすめです。詳しくは対策のところで解説します。急いでいる方は、ここをクリック。

読めない原因6

六つ目の原因は、一級の問題だから長文は難しいはずだという思い込みです。特に、大問1の語彙問題が難しいので、大問2 & 3の読解問題も同じように難しいだろうという心理が働きがちです。確かに、長文は構文に慣れていないと読みにくいと感じるかもしれません。しかし、設問そのものと、選択肢は素直なものばかりです。そのため繰り返しになりますが、読解は語彙問題ほど難しくはないので安心してください。

ここまで、長文読解が読めない原因を探ってきました。次は、知っておくべき読解の鉄則のご紹介です。

長文対策の鉄則は3つ

長文読解の対策で重要な鉄則は3つです。

  • 『読む時間の確保』
  • 『先に問題文 (設問) の精読』
  • 『パラグラフ毎の大まかなキーポイントをおさえる』

上記3つの鉄則を守れば、読解は正解できる問題ばかりです。

はじめに、「読む時間を確保する」ことが、合格できるかにかかってきます。一例として、読解に費やす時間は以下の配分の仕方がおすすめです。

問題番号問題数時間配分
大問2612 - 18分
大問31040 - 45分

大問2で18分以内、大問3は45分以内がおすすめの時間配分です。

制限時間内に解くために、必ず本文より先に設問に目を通してください。なぜなら、設問を読むことで、ヒントとなる固有名詞などを本文で特定できるためです。読み取るべきポイントをしぼっていく感覚です。

注意点として、選択肢には目を通さず本文を読む始めることです。

本文を読む前に、選択肢にも目を通してしまうと、頭に入れておく情報が多すぎてしまい、誤読をする可能性が高くなります。なぜかと言うと、選択肢にもヒントとなるような固有名詞などが出てくるためです。混乱を避けるためにも、先読みは設問だけにおさえてください。

選択肢にも目を通しておいた方が、本文を読んだ時に内容をとらえやすいのでは? と考える方もいるでしょう。しかし、設問のみの先読みで正解できます。なぜなら、ここ数年の内容一致問題の傾向として、選択肢から正解を見つけやすいという特徴があります。誤りである選択肢は明白に「ここは本文と違うよね」という誤りのポイントがあるため、自信を持って正解を選ぶことができます。

長文読解のおすすめの解答手順

ここまでの鉄則をまとめると、おすすめの長文読解パートの解き方は次のとおりです。

おすすめの解き方

  1. 長文に費やせる試験時間を確認します
  2. 最初の設問のみを精読します。固有名詞などをチェックします。選択肢はまだ読まなくてOK
  3. 最初のパラグラフを読みます
  4. ここで、設問の選択肢に目を通し、解答します
  5. 次の設問を読みます
  6. 二つ目のパラグラフを読みます
  7. 以下、同じような流れになります

基本、パラグラフを一つ読んだら設問に答えていく流れになります。選択肢は、パラグラフ毎のキーポイントを理解できていれば、一つひとつじっくり正誤判定しなくても、すぐ正解を選べるようになっていますのでご安心ください。

ではスムーズに問題文と本文を行き来しながら、解答できるようになるためにはどのような対策を行っておく必要があるのでしょう。次に合格に直結する対策法を解説します。

おすすめの長文対策まとめ

それでは、具体的な長文対策の方法を見ていきます。対策法を以下にまとめます。

  • 語彙力を高める。理想は12,000語を目指す
  • パラグラフ毎のキーポイントを書き出す
  • 短いニュース記事を読んで文構造に慣れる
  • 読むスピードに気を配る

対策法1: 語彙力を高める

対策法その1は、語彙力の強化です。めんどくさいと感じるかもしれませんが、原因その1でも確認したように、語彙力は文章の内容を理解することに直結しています。最低でも1万語、理想は12,000語以上を目標にするとOKです。知っている単語が多いほど、長文を理解できるようになります。

語彙力を高めることは長文対策になるだけでなく、語彙問題 · リスニング問題で正答率を上げることにも直結する大切なスキルです。ぜひ、お持ちの単語帳を完璧にする勢いで語彙力を高めてください。

単語帳だけでなく、アプリやサイトを使ってさらに語彙力を強化したい方は、ぜひこちらの語彙力強化ができるアプリとサイトの紹介記事をご覧ください。

対策法2: パラグラフ毎のキーポイントを書く

大体、一つのパラグラフから一問聞かれます。そのため、パラグラフ毎に書かれているキーポイントをつかむことが正解するために必要です。逆に、キーポイントさえ分かれば、詳細を理解できていなくても正答率を上げることが可能です!

キーポイントをつかめるようになるには、文章ごとに構文をとらえ、最終的にパラグラフ全体の情報を整理する練習を積むことです。過去問や演習問題に取り組む時は、パラグラフ毎に日本語でキーポイントを簡単に書いて、要点をつかめているかを確認してみてください。書き出すのは大変と感じるかもしれませんが、書くことによって、本当に大事なポイントを理解できたかをチェックできます。学習時のみで構いませんので、本文横の隙間にキーポイントを一文書いて、情報の整理をする練習をおすすめします。

例えば、よく出てくるテーマとして歴史物があります。コツは登場人物の関係性、この出来事とあの出来事の関係性はこれ、というように整理をしながら読み、キーポイントを把握することです。

本文のキーポイントを言い換えた選択肢が正解になるパターンが多いので、まずはキーポイントをつかむことを目標にしてください

対策法3: 短いニュース記事を精読

次におすすめする対策は、短いニュース記事に目を通すことです。1級の長文は小説を読む感じではなく、アカデミックな内容です。つまり、事実を淡々と述べられた論理的な文章に読み慣れておく必要があります。

ニュース記事を使った学習は一つです。丁寧に一文一文の文構造を意識しながら読んでみてください。長い記事だとモチベーションを保つのが難しいので、短い記事でOKです。SNSの英文ではなく、ニュース記事をおすすめする理由は、次の通りです。

  • 出題される構文は、ニュースでも使われる構文なため
  • 文構造をとらえながら読む練習になる
  • 英語で時事に触れることで、英作文で使える知識やフレーズも増える
  • 二次試験の面接対策にもなり、一次合格後スムーズに二次対策が可能

構文をとらえる練習をしつつ、世の中で話題になっているテーマについて勉強できるので一石二鳥です。英作文と二次対策が同時にできちゃいます。記事は無料で読める大手の英字新聞がおすすめです。例えば、以下のメディアです。

無料で読める英語圏の英字新聞の例

  • The Washington Post
  • ABC News
  • BBC News
  • The Guardian
  • The Australian

全てのニュース記事に目を通すというより、一つの記事をじっくり精読するつもりで取り組んでみると、読解力の向上に繋がります。一文一文、じっくり構文を意識しつつ、この文のキーポイントは何だろうと考えながら読んでみてください。

ニュース媒体により、無料で読める記事数に限りがある場合がありますが、様々な媒体を利用することで数を気にせず練習を積めます。

対策法4: 読むスピードに気を配る

英検の読解で大事なことは、読み返さなくても良いスピードで構文をとらえ、内容のキーポイントをおさえながら読み進めることです。読解の量に圧倒され、どうしても速く読もうとしてしまいがちですが、速読はおすすめしません。

速読をすると、どうしても気持ちばかりが焦ってしまいます。そうすると、内容があやふやなまま読んでしまい、問題文の選択肢がどれも正解に見えてきてしまいます。読み返しをする時間を作るくらいなら、内容を追えるスピードで解き進めた方が確実です。

おすすめは、次のように緩急をつける読み方です。問題文はじっくり読み、問われているヒントをしっかり理解してください。本文は読み返さないで済むスピードでキーポイントを把握していきます。特に問題文で出てきたヒントとなる名詞などに注目していきます。選択肢は本文のキーポイントを言い換えた選択肢が正解になるパターンが多いので、気持ち早めのスピードで目を通しても正解を選べます。

洋書の多読は必ずしも長文対策にはならない

受験者の方から、「1級に合格するためにはどんな洋書を読んだらいいですか?」 「多読は必要ですか?」 というご質問を受けることがあります。結論を言うと、1級合格のために洋書を読む必要も、多読も必要ないです。総合的な英語力を上げる目的であれば、洋書を読んだり、多読をしたりするのは効果的です。

しかし、1級の長文対策のためであれば、洋書を読むのも多読も必要ないと考えます。理由は大きく3つ。

  • そもそも洋書を読む時間をなかなか確保できない
  • 多読をしても、語彙力や読解力は急には上がらない
  • あなたのレベルに合った教材でないと、英語力UPの効果が出にくい

一人ひとり、ライフスタイルが異なるため一概には言えませんが、あなたは英語学習の時間を今以上に確保できる自信はありますか? 私は単語帳を開く時間を確保するだけでも大変でした。

多読のメリットは知らない語彙に出会ったとき、意味を考えたりする力を養なうことができることです。この知らない語彙を前後の文章から考えるという力は、英検の長文でも役に立つスキルです。しかし、知らない単語を間違った意味でとらえる可能性も十分にあります。まずは、1級に出題されやすい語彙を、専用の単語帳やアプリで力をつけることが合格に直結した対策法です。

さらには、あなたのレベルに合った本を探すのも大変です。たくさん読んで、たくさん構文に慣れ、読解力を上げるというのはサクッと1級合格したい方の長文対策には不向きです。

【英検1級の長文対策】読めない原因と正解するための対策法4選!のまとめ

今回は英検1級の長文読解を苦手と感じる原因、解く時の鉄則、対策を解説しました。

読めない原因を以下にまとめます。

  • 語彙力の不足
  • 大きなキーポイントをとらえていない
  • トピックに左右されがち
  • 読む時間が足りない
  • 読むスピードと読み返しのクセの問題
  • 1級は難しいという思い込み

長文に取り組む時の鉄則を以下にまとめます。

  • 読む時間の確保
  • 問題文を先読みし、聞かれそうなポイントをしぼる
  • パラグラフ毎の大まかなキーポイントをつかむ

長文読解は読む時間さえ確保できれば、正答率がグッと上がるパートです。今日からできる、合格に直結した対策法は次のとおりです。

  • 語彙力を高める
  • 過去問や演習問題に取り組む時は、パラグラフ毎のキーポイントをつかむ練習をする
  • 短いニュース記事を読んで文構造をつかむ練習をする
  • 読むスピードに気を配る

読解問題は試験時間内に読めれば、正解できる問題です。今回ご紹介した対策をぜひ試し、正答率の向上につなげてください。

さらに一次突破には、英作文の対策もとても重要です! ぜひ英作文の対策法をまとめたこちらの、英作文の書き方記事も参考になさってください。

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